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この日だけ12月 17日 日 .
 昨日、京都市のまちづくりワークショップに行ってきました。ワタシは理科の実験とかがそもそもキライなので、こういう集まりに出るのは気が進まなかったのですが、一昔前のアイドルオーディションにおける方便のごとく「研究室でいつのまにか応募されてしまった」ので仕方ありません。それでも住民参加の実態を見られるという楽しみもあるので、のこのこと出かけました。

 このワークショップは、堀川に水の流れを取り戻すための京都市によるこころみです。堀川の近所の人たちや、我々のような学生などが総勢100人あまり参加していました。まず、結婚式の会場のようなテーブルごとに8人くらいの班に分かれます。名札を書かされるのですが、それには名前・職業・住んでる場所以外に、趣味と血液型と‘似顔絵’を描く欄があります。‘まちづくり’という言葉の響きのダサさがそのまま反映したような企画が想像され、なんだか不安になりました。開会式でトレーナーとジーンズにスポーツシューズという「ピンポンパンのお兄さん」みたいなカッコした役所の人たちが、決意表明を合唱します。不安的中。

 その後、班ごとのワークショップに入ります。前述の「お兄さん」が各班に2名ほどつき、自己紹介が行われ、次に「堀川の春」という題材で、山下清みたいなちぎり絵作りを2名一組でやらされます。イヤな感じですね。そのような前置きを経て、ようやく市民参加という本題に入ります。付箋と模造紙が用意され、ひとりひとり提案事項などを書いてはりつけ、班ごとに発表します。参加者は一癖も二癖もある人ばかりで、中には50年前の水が流れ市電が走る堀川の景観を見ている人もいるので、意見交換はなかなか興味深いものです。でもなあ、主催者がこれじゃ市民参加も浮かばれないでしょ。いいかげん行政資料に丸文字ポップ体を使うのはやめれ。

おともだち(職業・京大病院かんごふさん)が参加している市民合唱団メサイアをやるというので、京都コンサートホールに行きました。団員はもちろん客層もさまざまで、「まちのコンサート」の健全さがなごみます。これが京響の定期演奏会なんかだったりすると客席はクラオタの京大生(かどうか知らないけどそう見える)ばかりで色彩感がありません。とはいえ合唱はプロのソリストやオケに引けをとらないぐらいうまかったです。聴くより歌うほうが楽しそうだなあ。ちなみにぽむはカラオケがとても好きです。

アフターは鶏刺を食いつつ、同行の音楽マニア(=ビハインドザマスク)と文学部院生と、音楽批評・文芸批評・建築批評談義(プ)です。とはいえ結局は昨日のメコンに引き続き、「いかに日本近世の文化水準が高かったか」という国粋チックな話をしていたような気がします。

ちなみに超聴覚人間であるビハインドザマスクに言わせると、京都駅の何がダメかって、「音がぜんぜんダメ」なんだそうです。つまり中央吹き抜けに反響する音が寒々しいというか、人が行き交い賑わう場所にふさわしい響き方ではなく、いたたまれないのだそうです。ビジュアル人間の多そうな建築業界ではつい後回しにされがち感はありますが、腕ききの構造デザイナー照明デザイナーが引っぱりだこの現在、次の狙い目はサウンドスケープですか。耳のいい建築関係者は転職するなら今のうちです。