帰省するとときどき行き付けの整体（実家では小野ちゃんと呼ばれている）に行きます。とか言うとまるであやしい宗教にはまっているかに聞こえなくもないので、実際に何をやっているかをご説明しましょう。いやわたしも理屈がよくわかってないので「たぶんこんなようなもの」です。

整体というのは骨の歪みを修正するワザです。症例は「骨盤の左右がずれているために右足が痛くて左肩が凝るＭさん（20代・女性）」です。

（１）治すところをあたためる。Ｍさんの場合は骨盤と肩のまわり。

（２）歪みぐあいを調べる。体を曲げたり腕を回したりすると、左右で可動範囲が全然違うことがわかる。あとは目測で骨の高さの違いを見るとか。

（３）歪みのせいで支障がたまっているところ、すなわち押すと痛みや不快感のある「ひでぶ」なポイントを探す。これが整体の謎その１です。自覚症状のある足や肩のほかに、腹とか首にひでぶがあったりするわけです。Ｍさんの内臓があまり丈夫ではないこととも関係がありそうです。

（４）ひでぶを取り除く。その方法というのが整体の謎その２です。悪いところを直接マッサージしたりするのではありません。それは逆に危険な場合もあると小野ちゃんは言います。そんなとこ関係あんのかオヤジ、と思うようなところを押したり引いたり、それ意味あんのかオッサン、と思うぐらいの軽い指圧をしたりするのです。でもそれで、さっきまでのひでぶが痛くなくなっているわけですね。いったい何なんでしょう。頭蓋骨を指圧して腕を引っ張って、なぜ腹部のひでぶが取れますか。

（５）ひととおり終えると、左右の動きがかなり同じに近づく。油を注されたような感じだとＭさんは言います。