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この日だけ4月 21日 土 .


そういうわけで本日はお日柄もふつうで、妹の結婚式でした。葬式はあのとおりフォークな高木家ですが、結婚式は至って全国平均です。冠婚葬祭のうち婚は真っ先に「共同体的イベント」を脱して「個人的イベント」に化した模様です。あぜ道の嫁入り行列とかを期待していた方は残念でした。

結婚式の朝というのは、はなよめさんが三つ指ついて「お父さんお母さんお世話になりました」と述べる儀式が行なわれるものだと思っていましたが、式が夜なので、午前中は母親は仕事場に出かけるし父親は畑で野菜の種まいてるし、妹は最も遅く起きてだらだらテレビを見たのちなんの緊張感もなく出て行きました。そういうものなんですか?ちなみにわれわれ親族一行はマイクロバスをチャーターして式場まで行きました。親戚がみな近所に住んでいるためです。このへんになんとなくフォークの残り香がありますね。

牧師さんはむしろ六本木で踊っているほうが似合う感じの白人の兄さんでした。「アナタハー、健康ナトキモー、病メルトキモー、コノ女性ヲ愛スルコトヲー、誓イマスカー?」このダンサーのせいで厳粛な儀式がどことなくカジュアルです。ところで思ったのですが、外国に行って日本びいきのガイジン相手に神前結婚式のプロデュース業とかやるのはどうでしょう。巫女はもちろんそこらへんの日本人留学生です。きっと珍しもの好きの客が集まって儲か……るわけないか。

披露宴は酔っぱらいオヤジも出現せず、ましてやえっさっさを踊る人もなく、ごく平穏に進められました。ところが新郎新婦がお色直しを終えて着席したそのときです。「シュルシュルシュル」窓を覆っていたシャッターが開いて、100おくまん円の夜景がばいーん!ここは港区の39階、赤々と灯る東京タワーがオレのものです。これには東京の山奥から降りてきた新婦一族も、北の大地から流氷に乗ってやってきた新郎一族もおおよろこびです。トウキョウブラーボ!いや普段東京の悪口ばかり言ってますけど、わたしは景観に関しては東京は天下一だとおもっています。雲を突きぬけ星になるのは東京だけです。火を吹いて闇を裂き舞い上がるのも東京だけです。したたるような朝日が昇る((c)林あまり)のも東京だけです。それにしてもすごい演出だわ「シュルシュルシュル」「ばいーん!」。