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この日だけ5月 12日 土 .


昔の『新ニッポン百景』を単行本でまとめて読みました。極悪なツラをした公共建築なんかをどついたりする、週間ポスト連載の「笑えないばかけんちく探偵団」((c)左)です。しかしこれもまた政治の問題というより経済の問題である気がします。結局日本はまだまだ成金なのです。「芦屋の高級住宅地の金持ちほど安いトイレットペーパーを買う」と中内功が言ってましたが、金持ちは基本的にケチです。ケチというのはお金の値打ちを知っているということです。成金はお金の値打ちがよくわからないので無駄にゴジャースなトイレ紙を買ったりするわけです。それでおのれの税金で無駄に極悪役人を雇ったりするのです。まずケチを身につけるところから始めなければなりません。

ところでこの本でも電線とか電柱が極悪扱いされていますが、そんなに極悪ですか?わたしは矢野顕子の歌曲の中で『電話線』が最も好きなので、べつにそうは思わないのです。(ライブでもよく歌うところを見ると本人も絶対好きなはずです。)通信インフラなどという色気もくそもないものをこれほどリリカルにうたった歌があるでしょうか。細い声を乗せた電話線は夢中で空を駈けてゆくの、山吹色の気流に乗ってすみれ色の湖を越えてあなたの耳へ。しかしこの歌が生まれてから四半世紀が流れ、空を駈ける電話線は海底のぶっといケーブルに取って代わられました。インターネットや通信衛星もできました。そんな時代の美しい通信ロマンの歌はないものでしょうか。どなたかご存知でしたら教えてください。ただし「ゆんゆん」は禁じ手とします。