ＧＷの後半は風邪を引いて熱を出して寝ていたので、実家から持ってきた『堤義明は語る』などの本を読んで暮らしました。いわずとしれた宅地造成帝国のMr.プリンスの対談本で、出版は84年。盛田昭夫とかミッチーとか松下翁とか、もうこの世にいない人がたくさん出てきます。しかも84年といえば帝国がまさにブイブイいわしてたころ。そりゃもう面白い話だらけに決まっているのですが、ここではけんちく的ないい話をご紹介しましょう。プレジデントおやじにはゆうめいな話かもしれませんが黙って聞け。《ツッツーのつくったたてもの》
・のちに大洋漁業に売った横浜球場＝円形でスタンドが可動式
（野球がダメになったらサッカーかフットボールをするため）
・西武球場＝掘り込み式
（野球がダメになったら歌謡ショー専門劇場にするため）
・高輪プリンス＝二部屋つなげるようになっている。ベランダもある
（ホテルがダメになったらアパートにして貸すため）こういうのを見ると、さすが勝つために育てられた馬とおもいます。勝つためだけに金をかけるヤンキー普請とはちがって、負けないためにも金をかけるわけです。
《ツッツーのオフィス拝見》
ツッツーはゴルフコースとかゲレンデを自分でデザインするのが好きです。いつもはふつうの社長部屋で仕事をするのですが、そういう図面を広げて社員と話し合うような仕事は、社長部屋の裏にあるタタミルームで行ないます。畳の部屋の方が、社員が社長を気軽にしばいたりどついたりできるからです。
こういうのを見ると、さすが帝王の人心掌握術とおもいます。コントの基本は四畳半ということをよく知っています。（まちがい）
5月 7日 月