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この日だけ11月 8日 火 .


かかりつけの心療内科の先生が開業したので今度からそっちに行くことにしました。前よりちょっと遠くなるけれども電車に10分余計に乗っていれば済む程度です。このように元の病院からそう遠くないところに新居を構えて患者ごと引き抜いていくのは開業の定石であるらしい。

新しいクリニックの待合室はアイボリーと白木を基調とした、美人じゃないけど明るく気立てのよい娘さんみたいな部屋で、白い一人がけソファが名曲喫茶柳月堂のごとくすべて受付のほうを向いて並んでいてちょっと意表を突かれます。患者同士が顔つき合わすのを避けるためのアレンジなのですね。照明も赤い電球色だし静かな音楽も流れているし、患者の圧迫感を減じようとする努力が随所に見て取れます。これらも今どきの病院ビジネスでは定石なのであろう。

だがこうしたバリアを取り除くためのさまざまな工夫を一瞬でぶち壊しているのが花。開業祝いの花。関係各所から贈られてくるあれ。定石どおり大半がファレノプシスなのだがあれが白い壁を背にずらりと並んでいるのは結構ホラーだぞ?1鉢ならまだゴージャスとかエレガントとか言う余地があるけれども10鉢もあると目玉というかぼつぼつというかが300個ぐらいこっちを向いててリアルにヤヨイクサマ。ある種の患者はパニック起こしませんかいやマジで。蘭のたぐいはグロなので(サイコ系とか内臓系とか)値段が高いという理由だけで病院に贈るのはいかがなものかと思いましたよメンタルクリニックはとくに。