ぽむ日記
 なるべく everyday
 使い方・リンク方法
ぽむ日記過去ログ
ぽむ日記サーチ
この日だけ12月 16日 日 .
こんにちは。

ちょっと大分に行ってきました。取材です。

大分は大学時代の美術部の合宿で行って以来、約10年ぶりで、昔の合宿では別府の侘び錆(寂びではなく錆)色の強い旅館とか”地獄”と呼ばれる押し出しの強い温泉とか、見る分には無料な現代建築とかをまわる旅であり、今回の旅とは趣旨が違いました。

特に趣旨がかわったのは湯布院です。到着までの車中、編集者の方に受けた湯布院に関するレクチャーによると、御三家と呼ばれる宿があり、どこもメシウマで接客も空間もハイセンスでイカスのだといいます。ガンダーラでしょうか。さすがAny会議という文化的な合宿が開かれた土地です。

実際に湯布院というのは、ガンダーラでした。御三家の一つ「玉の湯」付属のレストランは、余計な緊張感を与えない”おかん”的なやわらかい接客が素敵で、おむすびが美味でした。「無量塔」は大きなスピーカーのあるロビーが印象的。こちらは仕立ての良いスーツを愛するおじさまが似合うシブさでした。

でも湯布院にいたのは一瞬のことで、ほとんど阿蘇山界隈をウロウロしていました。「ラムネ温泉館」は写真で想像するよりも良いところでした。そして象設計集団やTeam ZOOの建築をいろいろと探索しました。「レゾネイトクラブくじゅう」は、一棟一室の集落型ホテル。屋根の重なり具合はなんとなくネパール、阿蘇をチベットに変えます。

そして高速に乗って、武雄温泉に足をのばします。武雄温泉新館・楼門が目的です。辰野金吾の超・超・異色作。赤レンガではなく朱塗り。横長線対称の構成は東京駅っぽいけどつくりは木造の和風、というか中華風? 辰野先生にこんな面があったとは・・。施設構成が面白くて、大正時代にして広い休憩室や家族風呂などを複合。現在の日帰り温泉と同じシステムが、当時から構想されていたことにビックリ。

短い間でしたが、楽しかったです。
九州もう一つのガンダーラ「くまもとアートポリス」にも、いつか行ってみたいものであります。



(*2020年、一部文章に修正を加えました。)