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この日だけ9月 29日 土 .
9月26日から29日にかけて、雑誌の取材で、石川県、富山県、鳥取県、大阪(箕面)の温泉旅館をまわってきましたよ。

石川・加賀温泉。粟津温泉の超老舗旅館・法師へ。世界一古い現役宿としてギネスに載っているとのこと。正面エントランス部分は江戸時代。そして御殿が明治時代。昭和時代に次々と増築した棟がぐるり。御殿のつくりや丸窓を持つ建物のつくりが、おもしろいです。


「法師」

山代温泉の白銀屋へ。魯山人がよく使ったという本館(国登録文化財)の福の間は、繊細な数寄屋。一見茶室に見えない茶室が付属する。床の間と付書院の絡ませ方や土間と小上がりを組み合わせた縁側など。ロビーや部屋は05年に東利恵さん設計で改修。


「白銀屋」

富山に移動。リバーリトリート雅樂倶。アネックス部分が05年完成で内藤廣設計。アートと現代建築を融合した宿。プレキャストコンクリートブロックでまとめたロビー。


「リバーリトリート雅樂倶」神通川第三ダムに面してます

大阪方面に。箕面観光ホテルへ。約5年ぶり。現在、内外装をちょっとずつ改装中。エントランスのすぐ横に明治うまれの桂公爵別邸があるのですが、それが実は懸造になっているのに気付いた。だから本館も、懸造ふうの勇壮な構造をしてたのかな。あとロビーまわりの窓のサッシュ、カッコイイ。細部がだいたいなんでも十字型。ベランダの手すりの端っこも。天井の照明も。徹底交差。








「箕面観光ホテル」

さらにさらに米子に移動。菊竹清訓設計の東光園へ。楽しいです! エレベータや階段室のつくりも凝っている。高層のコンクリート建築によるホテルとしては皆生温泉で最初のものだったそうで、平面的な皆生温泉では太陽の塔のごとくそびえ立つ威容であったことが想像できます。流政之による庭は、アスレチック感覚で楽しめます。ロビーから直接庭にアクセスできて、気持ちがいい。



じつは東光園、うかがう2〜3日前に「経営不振によるゴールドマンサックスグループへの事業譲渡」が発表されたところ。すごいタイミング。と言っても宿じたいはとても盛況で、雰囲気も自然に明るくて、全くおかしなところは無い。これがプロのホスピタビリティというものか。



(*2020年、一部文章に修正を加えました。)