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この日だけ9月 16日 月 .
こんにちは、無事イタリアから帰ってきました。ヴェネチア・ビエンナーレの旅は天気との戦いでした。11日は晴れてたのですが、12日は午後から曇→大雨。13日は、ほぼ大雨。

日本館を見学した12日午後は、まさしく曇→大雨のタイミング。現場で「晴れのタイミングでは全然が見え方が違う」と言われ、別会場でもたもたしていたことを後悔。翌日午前中の石上さんによるスライドレクチャーも、雨がかからないようにピロティの下で。しかし最終的にはピロティまで浸水。

いろいろな各国館を順番に、カメラマンの太田拓実さんと、そのお友だちのミラノ在住のデザイナー藤井惇さん(在イタリア歴7年、異常なくらい頼りになる)と、ほぼ丸2日ウロウロ。太田さんは写真家らしく目がよくて私が気付かない面白いものをいっぱい発見されます。興が乗るとドンドン撮る、ダメだと思った展示はスルー。撮るか撮らないかの判断が早い。

各国館のほかに企画展が、イタリア館とアルセナーレという2つの会場で開催されています。イタリア館は、ホワイトキューブの部屋が容赦なく連続する「見通しの悪い金沢21世紀美術館」とでも言うべき迷宮です。そこをザハ・ハディドのように部屋まるごとカッコよくまとめたり、別の展示と同居しながら濃い展示が急にあらわれたりします。部屋ごとにガンガン展示の傾向が変わり(迷いますが)面白いです。デコン系の懐かしいドローイング(レベウス・ウッズなど)や錯乱のニューヨークの表紙でおなじみのマデロン・ヴィリーゼンドープのイラストなど懐しく楽しめる展示から、R&SieやJDSといった若手の展示まで多彩。

アルセナーレの造船所会場での企画展は、西海岸もしくはオランダ系のハイテク寄りな建築家が中心で、モックアップ、インスタレーション、映像など、複数のメディアを横断する展示でした。総合ディレクターのアーロン・ベツキーによるコンセプトには若手を集めたとありましたが、顔ぶれ的にはデコン系というか、わりと昔から名前を聞く方が多い印象です。

どちらかというと各国館の方が若手を抜擢していたのかもしれません。ギゴン&ゴヤーのひとり、ラカトン&ヴァッサルのひとり、ペトラ・ブレーゼを審査員としたコンペで若手建築家を選んだベルギー館、金獅子賞を取ったポーランド館など。日本館もそうですね。

全体的には会場構成がどこもウマいし(イタリア館は賛否あると思うが)派手でわかりやすい展示が多いから、建築オタクじゃなくても楽しめるはず。一方でオタク向けの展示(例:レベウス・ウッズ)もあるから、懐は深いです。

ビエンナーレには3日通い詰め、ヴェネチア滞在最終日である14日午後、好コンディションの日本館に会えました。太田さんと藤井さんが前日にミラノに移動されたので、撮影はせず。土木系大学生のさいとうさん、照明デザイナーで夜間学校に通う三橋さんと見学し、政治集会の行軍に巻き込まれたりしながら街もウロウロしました。楽しかったです。

詳しいレポートは、AXIS11月1日発売号で。



(*2020年、一部文章に修正を加えました。)