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この日だけ1月 27日 火 .


新年おめでとうございます。今日やっと初詣に行きました。下鴨神社は冬枯れの枝から陽がたくさん地面に落ちて、谷底の光の国のようだったよ!! 今年もよろしくお願いします。

そういえば宣伝がまだだった。
『建築学生のハローワーク』
いい本なので学生さんと学校の先生は買ってください。私は4コママンガとイラストを描きました。オーケストラでいうところのティンパニのような仕事をさせていただいて光栄です。4コマは初めてでしたが、自分で言うのもあれですけど結構おもしろいと思います。

さいきんシャンソン歌手(なのかフォークなのかパンクなのか)の須山公美子さんという人を知りました。

どうやらブレヒトの歌なんかも歌ってるけっこうマニアな歌い手さんです。そんな人がこういうアルバムを出している。

「おうまさんがやってくる」

テーマは競馬です。12曲の歌詞はすべて実話(おもに2007年の実レース)に基づいています。

そして同時に人生の歌でもあります。競馬はしょせん遊びではありますが、歴史と裾野をもつ遊びはどれもそうであるように、人生に含まれている要素はたいがい内包しているのですね。これがたいそうシャンソンと相性がよい。

大観衆に勇気と感動を与える馬もいる一方で、誰にも注目されずにひっそり命を落とす馬やそもそもデビューすらできず<ピー>ってしまう馬もいます。実力はあるのに大舞台に弱い馬もいれば、なぜ勝ったのか調教師すら首をかしげるような馬もいます。私が心から勝ってほしいこの馬は、他の誰かにとっては邪魔者です。うれしいことばかりじゃないけど悲しいことばっかりでもない、思い通りになることもあるけどならないことも多い。人間(と馬)にはどうすることもできない大きな力、そこであがく人間(と馬)の哀れさとおかしさ。

レースを見て勝ったとか負けたとかしか思わない人が99%を占めるなか、競馬にひそむ人生を丁寧に拾う眼力は衝撃的です。そんでそれを、諦観を基調としながらも喜びは祝福し悲しみは慰める、突き放した暖かさでもって歌にするのです。基本的にはばかばかしくて時々しみじみ。お笑いはこうでありたい。須山さんの高くて太い声にも合っているし歌詞に合わせてブルースやらロシア民謡ふうやらいろんな曲調を使い分けているのも見事。

こんなどマニアックな題材から普遍性を取り出して大衆娯楽の形にするたしかな芸。でもぜったいメジャーにはならない。私もこうやって生きたい。

↓ニコニコ動画
「ノボリハウツーのバラード」
切ない。ラストもいい。
実況の魔物
この題材で歌を作ろうと思うあたりが普通じゃない