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この日だけ3月 7日 土 .


柄にもなく寒い季節に動き回っていたら数日間フリーズして関係各所に迷惑をかけました。調子こいてすいませんでした。

京都芸術デザイン専門学校(以下CDC)の学生さんたちの卒業旅行にひっついておもに長崎に行ってきましたよ。学生5人におもに運転要員の教員3名(私はしないけど)。長崎空港→佐世保→ハウステンボス泊→長崎→雲仙泊→福岡市内→福岡空港という移動距離がやたら長いコースをレンタカー2台に分乗してドライブする2泊3日。

1人でも2人でも6人でも旅行の計画と手配はたいがい私がしますが(好きだから)、他人がセッティングしてくれる楽ちん旅行も好きです。と思っていたら、今回の旅行番長が建築に興味がない(笑)ため、弓張岳展望台!とかぐりんぐりん!などと声を上げなければ建築を見ずに帰る羽目になりかねない油断ならない旅行でした。いやいちおう建築デザインコースの卒業旅行なんだけどもさ。


【1日目】車じゃなくて建築に酔ったよ

長崎県はどこを走っても小さな海と小さな山がセットで視界に入る、サザエさんのオープニングのような風景が続きます。海面は波もなくて鏡みたいだなあ。斜面の中腹に人工地盤(と車中で呼ばれていた)を作って貼りつくように家が建っています。そんで街路樹はソテツ。台風の中継で強風にあおられている姿がゆうめい。この風景に囲まれて育った人は関東平野で育った人とは明らかに何かの感性や前提が違うはずだと常々思うのですが、何がどうちがうかをどう証明すればいいのか見当もつかない。誰かそういう研究している人いませんか。

ありえないヘアピンカーブをぐいぐい攻めて、弓張岳展望台。こういう道というのはたいてい山林とかの中を通ってるものだと思っていたのですが、この街では杉ではなく家が並んでいるのですね。花やしきのジェットコースターが恐怖倍増なのと同じ理由で恐怖です。頂上には坪井善勝設計の3点支持のシェル屋根と、「これが佐世保か」とつぶやかずにはいられないパノラマが待っていました。海と丘と基地と港と造船所と。遠くの島と遠くの町。

白井晟一の親和銀行。申し込めば内部を見学させてくれます。担当の社員さんがたいへん丁寧に建築的に案内してくださってすばらしい。こんな気味の悪い建築は見たことがないぞと第一印象からあやしい気を感じましたが、内部に入ると気がさらにパワーアップ。建築家の美意識・トリュフを角に切るような素材の使い方・竹中工務店の中の人の汗と誇りの強力コンボが次から次へと同じ濃度でたたみかけてくる。あの大きな建物のどこにも隙がない。初めのうちこそ「建築の満漢全席や〜」とか叩いていた軽口がたちまち重くなる。密度がありすぎて消化不良を起こし、約1時間の見学を終えるころには全員10kg体重が減ったり総白髪になったり胆道に石が詰まったりする。いや建物を見てハラワタにきたのは初めてですほんと。何も書けませんすいません。

宿泊は番長の意向によりハウステンボス内ホテルです。学生さんたちは前の晩にみんなで徹夜して見たらしいミストとかいうくそ映画のおかげで朝5時から異様なハイテンションでしたが、どうやら非常に楽しみにしていたらしいハウステンボスの期待と現実とのギャップにテンションだださがりで9時に寝ていました。