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この日だけ4月 16日 木 .


ちょっとドバイに行きました。ワールドカップ(競馬の)を見るためです。

ドバイの王様は世界一の馬主であり、いい馬をたくさん買って世界中で走らせていますが、自分の国に世界中のいい馬をたくさん呼んで、世界一賞金の高いレースを開いたりもしています。それがドバイワールドカップです。今回で14年めですが、バブルがはじけたドバイがいつまでそんな景気のいい祭りを続けられるのかあやしくなってきましたので、この機会に日本のお馬さんたちを応援しに行くことにしましたよ。

ドバイの競馬は冬期限定です。暑いからです。3月末の土曜日にワールドカップが開かれてシーズンが終了します。その日はG1レースが5つも行われる特別な日で、世界中から馬とお客がたくさん来ます。今年は日本からは3頭出走しました。そんなゆかいなお祭りは単身参加するものではないので、Kたろうという世界に2人しかいないみ江さんの競馬友達の1人を焚きつけて同行させました。


ナドアルシバ競馬場はドバイの郊外にあります。見渡すかぎりフラットな土地にぺたんとコースが貼りついています。JRAのもさもさしっとりした庭園ぽい感じがなくて、ぱきっとした印象の景観です。ダートの内に芝があるのが新鮮だ。


敷地のすぐ隣で巨大な新スタンド建設中。たしかにナドアルシバは増築を重ねたようなスタンドで、便はあまりよろしくありません。来年からは新しいほうで開催される予定だそうですが完成するのだろうか。


チケットはオンラインで買えてたいへん便利です。席種とくに指定席の種類がたいへん多く、それぞれロケーションとサービスが異なっています。


松はシャンパンのついたテーブル席です。来日オペラSS席ぐらいの値段です。



竹はビュッフェつき屋外指定席です。ウィーンフィル来日公演SS席ぐらいの値段です。われわれはここです。



梅は芝生エリアで食事代別の立見です。東京ドーム指定席Sぐらいの値段です。

ほんとはもっと細かくあります。大相撲の升席なんかよりはるかに強気の料金設定ですが、高すぎてもはや腹も立ちません。



さらに下もありますがわれわれは買えません。(↑写真下のほう)アラブインドアフリカ東南アジアとたいへん幅広いエリアからの労働者でいっぱいです。指定席スタンドを覆う屋根の樋から流れ出る雨水がじょろじょろと滝のように落ちてきます。まるで階級社会の縮図のような会場です。

そこへいくと映画館に毛の生えた値段で快適な指定席に座れ、立ち食いの吉野家と指定席エリアのレストランの間にそこまで値段のちがいがないJRAの競馬場は、格差だなんだいっても相当フラットな日本社会の縮図になっていると思います。

ドバイの競馬はナイターです。暑いからです。ワールドカップの日は、レースが始まるのは5時ですが、会場は2時から開かれ、予想をしたり社交をしたりします。たぶん。

イスラムの国ですから賭けごとは禁止です。でもその代わり入場のときに1人1枚マークシートの投票用紙が配られ、勝ち馬を予想して投票します。当たると賞金がもらえます。日本でいう単勝と3連単があります。ほかにもお金や車が当たるいくつかの懸賞が用意されています。ちなみにワールドカップ翌日に日本でもG1があったのでホテルからネットで買おうとしたら、JRAのサイトが有害認定されてプロバイダにブロックされました。賭けごとは禁止なのです。

われわれの席はゴールを過ぎた1コーナーあたり上階で、1200mのコースが取れる長い長いゴール前の直線をこっちめがけて走ってくる馬群を正面から見られるすばらしいポジションでした。後ろの席にいたおばちゃんたちはすごい勢いでデットーリ(王様おかかえの世界一うまい騎手)を応援していました。

ファンファーレも場内実況もありません。いつの間にか発走しています。でもゲートが開くと同時にみんながゴー!とか言うので気がつきます。日が沈むとナイター照明がともり、雰囲気も盛り上がってきてスペクタクルです。いつもテレビ中継でしか見たことのない競馬場の空気を堪能してたいへん楽しみました。ビュッフェのアフタヌーンティとディナー(席料に含まれる)もJWマリオットかどこかのケータリングでなかなかおいしかったです。

つづく。