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この日だけ4月 1日 木 .


[因縁生起とか実証主義とかタオとか量子論とか(笑)]

「当たり馬券は必ず売っている」いい言葉です。道は必ずあって、鉄板かもしれないし針の穴のような可能性かもしれないけど、ゼロではない、問題はそれを買えるかどうかで。座右の銘を聞かれたらこれを答えることにしてるんだけど、なかなか聞かれる機会がありません。

競馬のなにがおもしろいかというのはしばしば聞かれます。「人の力でなんとかなるところと、人にはどうにもできないところのバランスが絶妙だから」と答えています。人知の及ぶところってどこまでなんだ、という問いの答えを各自が出すゲームだと思います。

「馬券が当たる」「馬券を当てる」「当たり馬券を買う」ぜんぶ同じ現象を指す表現だけど、それぞれ「人知の及ぶところ」に対する態度がちがう。

「馬券が当たる」は神様本意。物事が「成る」さまと人為とが一致する。一致するまでのプロセスは不問。データ分析してプログラム組んで計算しようが犬に選ばせようが一緒。そこは各自に任せる。いい案配に諦観してる。日本語としてはいちばん自然な言い方だからきっと日本語を使う人たちの世界観に近いのであろう。

「馬券を当てる」は人間様本意の言い方。方法→結果の因果を信じている。実証主義的です。たしかに熟考に熟考を重ねて予測した事態がそのまんま起きて「当てた」としか言いようがない馬券というのはあるが、でも当てた当てたと大声でいうやつはうっとうしい。

「当たり馬券を買う」は時間がねじれた言い方。単純な因果律じゃなくて。人は確実に意思を持って選んでるんだけど、その行為じたいが縁起かタオか宇宙の意思か知らんが何か大きな流れの中に位置づけられてる感じがする。たとえば私が今この馬券を買うことによって当たり馬券が変わる可能性がある、とかいうような。そもそも当たり馬券はいつから「当たり」なんだ。0か1なのか。それとも連続的な確率みたいなもんなのか。だいたいが時間てなんだ。なんか量子力学っぽい話になってきた気もするけどよくわかりません。

ちなみに私がいちばんよく使う表現は「馬券をとる」です。主体的だけど動物的な感じ。狩り成功、みたいな。