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この日だけ3月 17日 土 .
 毎年大阪南港のATCで行われる関西学生卒業作品展をみてきました。といっても主な目的は二川幸夫講演会です。

 率直にいうと、たいへんおもしろかったです。内容は8割が説教です(残りの2割は自慢)。その「説」いて「教」える内容は、建築家になるための心得です。傾聴に値する良い話ばかりでしたよ。

1.建築家は「発見」して「発明」しなくてはならない
ミースやコルビュジェは優れたデザイナーでありながら、自らデザイン原理を発見しましたね。同時に既存の価値観をえげつなくブッ壊しました。デザインがウマイだけではだめという話。

2.建築家は生産システムから設計しなくてはならない
建築業界は技術や生産システムが他産業と比べて進化していない、遅れた業界。車はどんどん進化しているのに建築は50年間何にも変わっていません。ゼネコンは段取りがうまいだけ、ハウスメーカーも生産工程自体は地元の工務店任せ。こうしたことに無頓着なまま「おさまり」とか「メタフォア」とかをこねくりまわしてオタクになっていては、発明や発見はおぼつかないよ、ということでしょうか。

3.建築は勇気
 説教は、基本的に相手に期待してケツを叩くという、「オカン」のスタンスをとっています。講演でも「次は君たちの時代だ。建築は勇気なんだよ。」と何度も繰り返していましたよ。この気持ちに応えなくては、という気分にさせてくれます。二川先生は建築業界のオカンだったのです。

他にも、原広司は数学が大好き、二川先生のすさまじい取材スケジュールなど、話はさまざま。



(*2020年、一部文章に修正を加えました。)


左の人が書いているとおり今日は大阪のわかもの祭りに行き、とうとう初めてユキオ先生の説教を拝聴しました。内容は「大学の建築教育は完っ全にまちがっている。あんな図面書いてちゃだめだよ君たち。」から始まる学生向け説教で、非常におもしろく元気を与えられるお話でした。われわれもいつかユキオ先生の説教部屋に呼ばれたいと心から思いましたよ。予想をはるかに越えるカリスマぶりです。こういう説教オヤジというかオカンは、ほんとうは5人ぐらいいないと足りないのではないかと思います。ユキオが一人で日本中(いや世界中か)の建築家に説教して回っているのではとても大変なのではないでしょうか。

学生さんの作品のなかでぽむ的ホムーランは、和歌山大学デザイン情報学科の学生さんのです。透明な液体アクリルが詰まった管とパソコンが連動していて、お好きなひらがなをクリックすると泡がぷかぷか浮かんで文字が現れるという、子供もパンダもおおよろこびのテクノロジー作品。泡をつくる弁がカチカチ音を立てるアナログ感もよかったです。デザイン「情報」とはいえ、ヴァーチャルよりリアルのほうが面白いし金になりそうです。

今日はほかにも知り合いの陶芸家さんの果物展覧会とか、地下鉄駅でやってた小学生絵画展など、すばらしいものをたくさん見ました。そんななか本日最低だったのは、大阪のおナウエリア・堀江のカフェです。木造倉庫を改装した大人の空間(プ)だそうですが、インテリアといい音楽といい「男子が女子を連れて行って喜ばせるための店」狙いふうのエロ&ダサがみなぎっています。そのへんはまあ三万歩ぐらい譲るとしても、料理が西原理恵子言うところの「まぐそ」。関西ではカッコだけでメシがまずい店など3日でつぶれると思い込んでいましたが、このコストパフォーマンスの悪さは東京並です。東京が嫌いなくせにそんなところを真似るのはやめましょう大阪。「店主を呼べ」級の腹立たしさに晒しあげ