なるべく everyday 使い方・リンク方法 |
6月 2日 木 | ▲ . |
その2。 どうやって大槌まで来たかというと、岩手の観光バス会社が東京から出してるボランティアバスに乗ってきました。日程がちょうど合ったからであってべっべつに「宿泊:遠野ふるさと村内 伝統的な南部曲がり家」とか書いてあったからってわけじゃないんだからねっ! ツアー人数は約30人、男女ほぼ同数で年代もきれいにばらけている。初ボラの人が多いがリピーターもいる。経験をひけらかす人も働かない人もいなくて、よい人たちに恵まれた。東京の人が多いが東海や九州からも来ている。職業はよく知らない、そんな話してないから。有給を一日取って来た人もいるしあと失業中の人もわりといたっぽいです。学生さんにはけして躊躇なく出せる費用でもないと思うが大学生も2人ほどいた。 作業は2日間で、2泊+車中1泊。2日目の作業後に1泊できるのが私のような体力なしにはありがたいです。宿泊先の遠野ふるさと村は古民家園。ふだんは校外学習とか以外は宿泊はしてないけど、特別にボラ拠点になっている。食堂で朝晩の食事と、あとお昼のおにぎりも作ってもらえる。生ビールもどぶろくも飲める。親戚のおうちで出してくれるようなごはんでおいしかった。お風呂はないけど、熱湯と水が交互に出てくる市営浴場に連れてってもらえる。クリーンセンターの熱で沸かすあれですね。 曲り家は人間と馬ちゃんが一緒に暮らすための家です。岩手といえば馬だからね。馬が住む土間部分と、人間が住む棟がL字型につながってるから曲り家。土間には馬のカイバを煮るための大きなかまどと釜のセットが埋まっている。へうげものの小堀遠州邸みたいなぐにゃんぐにゃんの柱や梁がいっぱい使ってあって風流だ。強度的にどうなんだ。まあ持ってるってことは大丈夫だ。棟梁スゲエ。一棟の田の字平面を開け放して女子13人ざこ寝。昼はふつうに営業するから、布団と荷物を奥の納戸的な小部屋にしまう。 遠野は三陸海岸からいちばん近い内陸の町なので、復興活動の拠点になっていて、自衛隊の車両をよく見る。そして道路の至るところに、地域住人手づくりの「支援ありがとう」の看板や横断幕がかけられている。 遠野の何がよいかと言って、田んぼ。あと線路。田んぼの区画がパッチワークみたいに細かくてかわいい。そこに盛り土をしただけの線路がつーと走っている。超かわいい。小さい山と小さい川と小さい田んぼが箱庭みたいに詰まっている。小さきものはみなうつくし。現役の茅葺き曲り家はもうないそうだけど、瓦やトタンに葺きかえた曲り家ならけっこうある。曲り家でなくても、つまり連結してなくても、母屋と、納屋とか厩舎的な棟とがL字に配置されてる民家もいっぱいある。 遠野から大槌まで1.5時間か2時間ぐらい。まず社協のボラセンに行ってその日の仕事を割り振られる。農協の作業場にテントを張ってサテライトになってる。ホワイトボードに依頼の一覧が書かれている。ほかにも何台かのボラバスと、有志で来てる人たちの車が停まっている。ガイジンチームもいる。 作業は9時から12時、あと1時から3時までと決められている。時間は地域によって違うみたいね。お昼にはテント下にブルーシートが敷かれて休憩できる。作業が終わると紙コップでうがい薬を渡される。泥はばいきんの巣だから長靴や道具はちゃんと洗う。日用雑貨なんかもここで買える。津波で流された大手ドラッグストアの仮設店舗もできてる。リピーターによるとGWの頃に比べてだいぶ整備されたそうだ。 今回の旅程にはミーティング的なものはなかったですが、夜は曲り家の板の間でナチュラルに飲み会になり、参加者スズキさんの見事な司会によってみんなの感想とか、他の地域の様子なんかを聞くことができた。考えをまとめることができた(まとまってないけど)のは、こうしてほかの人たちと話ができたおかげだ。建築の人はたいがいそうだろうが今までツアー旅行に参加したことがなかったけど、今回はツアーで本当によかったです。 |