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6月 25日 土 | ▲ . |
再び岩手にがれき撤去に行ったのでまとめます。その1。 前回は東京発着のツアーに参加しましたが、今回は盛岡の駅近ホテルに泊まって、盛岡発着の日帰りボラバスに乗るという算段。車持ってないくせに団体旅行はやだとか言ってるろくでなしの私やあなたにはおすすめの方法です。 空路で花巻から入りました。空から見ると、きみどり色の田んぼパッチワークにところどころ目の覚めるような黄金色が混ざっている。本物の麦畑なんて見るの初めてだな。空港の隅にはまだ自衛隊キャンプの苔色テントが並ぶ。真夏みたいな青空。麦秋なんだね。 1日目は陸前高田。岩手県社会福祉協議会が出してる日帰りバス。無料。30人強。今日は男性多め。年代はきれいに割れている。盛岡発着だけど県外からの人のほうが相当多い。カナダ人もいた。6ヶ月の休暇(なにそれ)をとって日本に遊びに&働きに来ていて、最後の1週間は被災地でボランティアしてから帰るんだって。 陸前高田のインパクトは強烈だ。市街地だったらしいところはぜんぶ更地。地盤沈下して水がたまって巨大なため池みたいだ。これ中心街なんだよね。その隣は標高7mのがれき山。その隣は数百台の原形をとどめていない車の駐車場。その向こうに生き残った一本松。 今日の作業は海辺の田んぼの片付け。捜索は済んでいて(そういうところじゃないと素人は入れてくれない)、がれきがある程度まとまって積まれている状態。したがって屋根は屋根っぽい形のままだし、生活も原形をとどめて出てくる。神社のお札、昭和49年の年賀状、株券、ぬいぐるみ、3時17分で止まった時計。このまえ大槌で見つけた時計は3時20分だった。 それらの山をばらして、木と金属と瓦とその他に分けて、隅に積む。5〜6人の班ごとになんとなく持ち場を決める。大槌の河原を片付けたときは、海辺の松も台所の鍋つかみも全部こなごなのピースになっていて、自然と人工の境目がわからなくなるような、なんというか超越的な諸行無常を感じたけど、今回のほうが生々しい生活に触れるので心理的には堪える。 自作ポエムの紙も出てきた。「君への気持ち、英語でいえばI love youじゃなくてI'm loving you」みたいなやつ。写真やハガキと一緒にボラセンに届けたけど、作者本人が見つけたとしても名乗り出るかは微妙だな…… 家が半分壊れた近所の人が大漁旗を干している。漁師のおじさんが田んぼに打ち上げられた船を直している。船体に赤で「コワサナイデ」と書かれている。太い縄で短くつないだ船はみんな転覆したけど、おじさんの船は細くて長い縄で泳がせるようにつないでたから無事だったんだって。 畦には紫色のツメクサが元気よく育っている。隣の田んぼでは富山から来たボラチームが同じような作業をしている。陸前高田の中心部ではひとまずがれきは減ったけど、周辺にはまだこんな手付かずの集落がけっこうあるんだそうです。 |