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この日だけ6月 29日 月 .


ここ数ヶ月のいろいろ@東京。

池田亮司+/−展。1F黒会場。あんな大きい展示なのにみんなハエとり紙みたいに似たような場所に貼りついて映像を見ていて、空間に具体性というか濃淡というかが発生してて、だだっぴろい会場が体感スケールとしてはなんかMETROみたいになってた。B1F白会場。複数のスピーカーのまわりをうろうろ歩くと場所によって聞こえる音が変わる、理系男子の喜ぶインスタレーションが楽しかった。物体じゃないものを使って空間に偏在をつくるっていう、デザインの人が色とか照明とかでやってることを音波の干渉でやってる。快い音じゃないから空間デザインに使えるかっていったらどうかと思うけど。高校物理の教材として最適とかいうと小せえので科学博物館で保管するべきと言い直してみる。世の中すべて波だらけ〜。

旧千代田生命つまり目黒区役所。村野藤吾。オフィスビルのくせに陰影があって彫りが深い。数奇屋の和室がいくつかあって、「しじゅうからの間」は開放されてていつでも誰でも入れる。竹モチーフのおされ障子とか、2種類のパターンが組み合わさった網代天井とかで数寄数寄。はき出しの外は軒とベランダを広めの緩衝域に取って、池。いいじゃんこれ。こんな区役所ないですよ。いろんな意味で。これらの和室は元は社員の福利厚生のため部活とかに使われていたらしい。部活って何部だ。和裁部とか?将棋部とか?競技かるた部とか?あと入れなかったけど茶室もあるのよね。駐車場の下に埋まってるビル内茶室で露地もちゃんとあって、コンクリートジャンゴォの中のすずめのお宿風味。

旧朝香宮邸つまり東京都庭園美術館。日本のアールデコの聖地。設計宮内省内匠寮。宮家なのにモダニズムって地味だよねーとか言いながら玄関に入ると、いきなり鮮やかな大理石モザイクの床とルネ・ラリックのガラスレリーフが出現。私が心得違いでしたすみません。部屋ごとにインテリアのテーマがちがってて、ラジエーターカバーのデザインまで全室ちがうあたりさすがのお公家さま。2階の私室は公的な性格の1階に比べておとなしめだけど、妃殿下の寝室の壁に3本一組のねじり紐をあしらったりして貴人風控えめゴージャス。全体的に石が多弁。色が豊富で濃くて、コンビネーション技も多用。階段室の腰壁なんか艶のある赤っぽい木と思ったら大理石ですよ。どっから買ってきたんだ。石も木も一枚板ばかりだし。1925年風味はじめいろんなモチーフが使われてるけど、階段室の鉄製枠飾りと照明の椿模様が特別かわいかった。その椿を見ながらソファに座ってたらいつの間にかガチ寝しており気がついたら20分ぐらい経過していた。なんで美術館てあんなに眠くなるの?