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この日だけ3月 3日 土 .
日経新聞のウェブに「津波は対抗せずやり過ごせ 名取市・閖上の箱舟構想」という記事が出たのでそれに反応してブログ……じゃなくてブログかぶれ日記を書きます。

この”箱舟構想”のもとになっているのはSAKO建築設計工社の迫慶一郎さんが発表されている「スカイビレッジ構想」です。絵や映像はこれまでもたまに見かけてはいたのですが、名取市の佐々木市長がここまで迫さんの案に前向きだったとは……。(以下ちょっとだけ引用)

"市長が切り札の1つとして考えているのが、船の「へさき」のような巨大な構造物を海岸に設置し、背後に配置した敷地が長方形の居住区を守るアイデアだ。

これまで、国や自治体は巨費を投じて各地に防波堤などを築いてきた。しかし、東日本大震災ではその防波堤が次々に打ち破られ、無力さを露呈した。

佐々木市長は新たなまちづくりで発想の転換が必要と判断。へさきを核とする構想を「津波に正面から対抗するのではなく、受け流す発想」と説明する。"

この市長さんのコラムを見ても、たしかに乗り気のようです。


記事を読んで思ったのは「けっきょく絵なのかな……」ということ。ネガティブな意味ではなく、ここまで構造を明快に示した絵がある方が議論も活発になるだろうし課題も、そこに盛り込むべき知恵や技術も明確になるだろう、ということです。すでに記事に東北大学の越村先生のコメントが入ってたりしますが、津波荷重への対策も(まあお金はかかるんだろうけど)土木分野の知見からガシガシ盛り込まれまくるのでしょう。また提案では、産業もセットになってます。

”構造物は3層からなり、最下層に漁港と水産加工施設を「内蔵」する。津波到来時にはコンクリート製の水門を閉じて漁港の出入り口を完全にふさぎ、漁船の流失を防ぐことができる。”

そんな土木や水産の知見や技術が盛り込まれやすいことに加え、何よりこれは、ちまたで話題の「スマート的なるもの」がワラワラ集まってくるに決まってますよね。いろんなアイデアをいろんな人が盛り込むことができる土台として、よくできている気がします。

いっぽうで今の日本だと「スマートシティ」「スマートタウン」って構想自体はいろいろあるようですが、あんまりイメージが表に出て来ない感じです。そんな中で、こうあっけらかんと明快な絵を発表していける、というのが強みなのではないかと。私もあいのりしたい! と思える枠組みを明確に示すことが、いま有効な都市計画の提案手法なのかなあ、と思いました。

(でも「これつくりたい」という市長さんはいても「ここに住みたい」「ここで働きたい」ていう人はあんましいない気がする。そこがものすごい課題なのでは……)


以下引用
1分半のアニメーション「東北スカイビレッジ/TOHOKU SKY VILLAGE」



迫さん講演「未来のコミュニティをデザインする〜スカイビレッジ構想」