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2月 3日 土 | ▲ . |
昨年9月の第1回からはじまり、2013年1月20日(土)の第3回「働き方・生き方・稼ぎ方」で全5回+番外編中の3回が終了して、だいたいUターンしてあとは走り切るぞという頃合いですので、このあたりで第3回のレビューを兼ねてPROPS プロトークについてまとめておきます。 PROPS プロトーク 土地と建物をめぐる、業界横断型のトークイベント (提供:PROPS/撮影:楠瀬 友将) 個人的には、少し前まではほとんど見えなかった組織に属して働く人の話が、ちょこちょこ、うっかりと外に漏れてきているのが建築・不動産業界におけるソーシャルメディアの効用の1つだと思っていて、PROPSという集まりもそんな効用のおかげで成り立っているのかなと思ってます。 で、第3回第1部のテーマ「転職」ですが、転職の内実というのは内々の情報交換で留まるケースが多く、建築や不動産の世界に限っていえば、これまでそうそう表に出てこなかった話をおおっぴらにできたのがよかったのかなと思います。 まず建設・不動産業界の動向と転職市場という、いつもは噂レベルでヒソヒソとやっている話が、転職エージェントから客観的に詳らかにされたのは(そこで語られる実情は最悪ですが)よかったです。 また業界のブラックな体質、リストラ……といった通常は表に出ないであろう実体験と、そこからどう抜けだし、辛い状況に立ち向かうために何をすべきか。ということがオープンに語られたのも(景気のよい話はあまりないのですが)よかったです。 そこから連鎖してtwitter上で経験談や知恵が寄せられ、鬱とか長時間労働とかパワハラとか、辛い状況に置かれた社会人に役立ちそうなノウハウが(意図せず)集まるという思わぬ副産物もありました。 これまで3回のPROPSの中で個人的に最も手応えを感じたのは、前回の第2回「開発・オペレーション」です。「鉄道システムの海外展開」「工場オペレーションの輸出」などという、なかなかハイコンテクストなテーマを、建築不動産それ以外いろいろ入り交じって議論するというシーンが生まれており、軽く目頭が熱くなったものです。 で、第3回「働き方・生き方・稼ぎ方」というテーマは間口が広そうでいながら実は“困ってない人にとってはどうでもいい”ところもあるので、どう展開するのか若干心配でした。しかしスピーカーの率直な話をきっかけに風通しのよい議論が起き、当事者が語るリアリズムみたいなものの強さとこれまで内々でなされていた話題を表に出す効能みたいなものを感じた次第です。 第2部のテーマは「場所と生き方」。場づくりが重要だ、ハードからソフトへの転換だ、などと建築や不動産の業界でも叫ばれがちな昨今ですが、こういう話は専門分野内でしゃべっていても生産的な話にはならなかろうと、建築や不動産の専門領域にくくられないアプローチで新しい生き方/仕事場を築いている人に話してもらった……という感じです。 第2部の面白さは、司会の納見さんによる最後のコメント「建築や場所がフリーランス化しつつある」に集約される、圏外から見出されつつある土地や建物のゆるい使い方にあるのかと感じました。不動産単体で儲けるのが目的ではなく、何か場所を仕掛けるときに使えるカードの1つとして不動産をうまく使うというやり方です。 「稼ぎ方」についての話が出て来なかったのでは……というツッコミがtwitterからちょこちょこありました。しかし人も場所もフリーランス化が進んでゆけば、第2部のゲストたちのように建築・不動産の専門分野外からプチ不動産事業とでもいえそうな仕事をする人はこれからますます増えていき、そうした動きを反映して土地や建物に関わるハードルも下がっていきそうな気がします。 そんな局面が訪れたとき、これまで巨大開発で効率よく儲けてきたプロが何をして、どう稼ぐのか。そのへんは第4回、第5回に引き続き掘り下げていくことができそうな気がしてます。 というわけで PROPS プロトーク 第4回「マーケティング・レイティング」 ープロに聞く「”よい”建物が、正しく取引されるしくみ」ー 申込みはこちら! http://peatix.com/event/9602 第5回 建築・不動産と情報技術 ープロジェクトの見える化と合意形成ー ……は予告サイトは準備中ですが、3/31(日)に開催します。 |