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第2回ぽむツアー 2 二日目は、長谷川逸子さん設計の新潟市民芸術文化会館に行きました。気持ちのいい空間でした。この建物の特徴はボコボコといくつかある空中庭園です。ただしそこは芝生が立入禁止で、あんまり人気がないのです。でも、すきまに細い空中スロープが縦横に走っており、そこを新潟市民は自転車で滑走するのです。楽しそう。新潟には立体的に自転車を操る文化があるのか、駅の構内(しかも2階レベル)にも自転車がとまっていました。駅前駐車場もこのありさまです。 電車で一時間ほどかけて長岡に移動し、今回のメイン目的地、長岡リリックホールへ。いつか「お金をもらえる仕事」として完成させるつもりなので小出しにしますが、建物自体の出来もさることながら、ホール運営上さまざまな工夫がなされた、素晴らしいホールです。ホールの他にも、ホール需要の実体を探る市民アンケートに基いて生まれた、貸し出し用のスタジオ10室があります。市民はこのホールを演奏会や練習に安く貸し出してもらえます。ホールのほかにも美術館や病院が建っているその敷地は、田中角栄さんちの土地だそうです。ブラーボ! 取材終了後、右の人が大好きな、とあるピアニストのライブを聴きました。普段は葉加瀬太郎のバックミュージシャンとして活躍されている方です。お友達のギター、ベース、バイオリンを加えたジャズカルテットで、チック・コリアやピアソラの名曲をノリノリで演奏。みんな普段バックミュージシャンをされているようで、たいへん演奏がうまいです。MCでは施設のよさについても言及されていました。 |
ぽむツアー 越後編その2 のろのろ起きて、長谷川逸子さんの新潟市民芸術文化会館を見ました。ホール二つ+付帯施設、というプログラムは後述の長岡リリックホールとほぼ同じですが、ストイックな平屋のリリックとは対照的に、こちらは6階建て吹き抜けボン!でじつにリッチな空間の使いっぷりです。細部も丁寧で気持ちよく、お金と技が感じられ、石油の採れる国は違うと思いました。天気も良くて屋上庭園はとても気持ちがよかったですが、芝生およびギザギザ通路(ぽむは割れ卵と呼んでいる)が立入禁止だったのは残念でしたね。さらにこの国ではこの屋上が気持ちのいい季節などほんのわずかしかないのだろうと思うとさらにもったいないのです。 芸術文化会館の隣の白山公園の屋台で、ポッポ焼というものを買い食いしました。旅は買い食いです。ベビーカステラを細長くしたようなものですが、これが黒砂糖味でスゲエうまいのです。(しかも安い)すでにこの時点で「新潟はとてもすごい」自信が確信に変わってきました。ちなみに白山公園というのは明治の初めに太政官布達でできた公園で、オランダふう庭園とか言われていますがどう見ても兼六園です。お上に「公園」を作れと言われたので最寄りの兼六園をお手本にしたくさい感じですね。逸子さん廻りのランドスケープと並ぶと、公園百年史といった趣です。 午後は長岡でリリック取材です。詳細は別の機会に書きますが、リリックホールは見えないところにお金と手間がかかったスバラスィーホールでした。運営がとても丁寧に行なわれていて、2つのホールと10個のスタジオの稼動率は常時6割を誇っており、東京からレコーディングに訪れる人もいるとか。運営側にとっても設計者にとっても幸せなことです。 取材の締めくくりはピアニストD氏(仮名)のライブです。左の人がバックミュージシャンと100回ぐらい言っているので少し弁護すると、レイソルの明神が11人集まったサッカーチームのような面子です。今日の公演にあたっては、リリックの担当職員さんが前もってD氏のライブに足を運んで音を聴き、2つあるホールのうちどちらを使ったらより映えるのかを考えたりするなど、愛のある企画が立てられたようです。おかげで確かにホールによく合っており、D氏本人も「カッコイイですよねえここ。税金はこういうふうに使ってほしいですよねえ。」とか言いながらごきげんで弾いていました。ホールにとっても演者にとってもお客にとっても幸せなことです。やはりホール見学は何でもいいからとにかく公演を見るべきであり、「聴いたことないけどいいホール」とか言うのはマジでやめたほうがいいとおもいます。 |