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第2回ぽむツアー 4

 京都へ帰る途中でフォッサマグナの街、糸魚川へ向かいました。目的地は村野藤吾の「谷村美術館」。すごいです。村野(当時92歳)が友達の彫刻家澤田政廣(当時90歳)とタッグを組んでめくるめくワールドを展開しております。建築家は長生きしたほうがトクに決まっています。図面、村野+澤田のツーショット、映画監督のように指示を出す村野のスナップなども展示されています。村野藤吾はコワモテで妖怪っぽい人なのではないかと勝手に作風から想像していましたが、オシャレで上品な小柄な方でした。村野も澤田さんも糸魚川とは縁もゆかりもありません。このあたりの事情はここに書いてありますが、糸魚川の谷村建設の‘社長’の仕業です。

 一般的に18きっぷ旅行はハードといわれていますが、景色がよく乗客の少ない日本海旅行ではそんなにしんどくありません。移動中の大半は、海側のボックス席を確保して、進行方向に並んで座り、向こう側の座席に足を延ばしてリラックスして過ごせました。



(*2020年、一部文章に修正を加えました。)


ぽむツアー 越後編その4

京都への帰路、糸魚川で途中下車して、谷村美術館を見ました。村野藤吾先生(当時92歳)です。ばいーん!鼻血の出そうなかっちょよさ。澤田政廣翁のホトケ一体一体に合わせて小部屋がつくられ、壁や天井から光が落ちています。まるでアイドルですね。これはホトケも建築家も幸せです。村野先生は年取ったのをいいことにボケたふりしてやりたい放題やっているようにしか見えません。建築家は長生きするべきです。

村野先生もすごいのですが、「社長」好きのぽむとしてはここのオーナー谷村建設の社長もそれ以上にすごいと思いました。私財でコレクションしたホトケのためだけに美術館をオーダーメイド、しかも立地は田んぼの真ん中でお客の9割は建築関係者(てきとう)という、採算無視の道楽っぷりですよ。さらに施工は自社で行なっています。ほとんど日曜大工の犬小屋です。社長として非常に正しいお金の使い方ですね。社長ばんざい。

食物の話ばかりで恐縮ですが、この4日間はうまいものばかり食べました。リリックホールそばの典型的国道沿い回転寿司とか、新潟駅前のおにぎり屋で買ったおにぎりとか、そういうふつうのものがうまいのです。食べ物がうまいというのはすなわち農林水産資源が豊富ということであり、しかもそれらが外食で簡単に食べられるというのはすなわち都市度が高いということです。東京や京都の内陸部で育った自分にとってこの二つを兼ね備えている都市というのは驚嘆に値します。首都はさっさと新潟に移転すればいいのです。石油は出るわ米も魚もとれるわでエネルギーと食糧が自給できる理想首都ですよ。でも左の人が「上等の水田と漁場をつぶすのはもったいない」と言うのでやっぱ関東ロームでいいか。