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2009年 6月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 |
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ここ数ヶ月のいろいろ@東京。 池田亮司+/−展。1F黒会場。あんな大きい展示なのにみんなハエとり紙みたいに似たような場所に貼りついて映像を見ていて、空間に具体性というか濃淡というかが発生してて、だだっぴろい会場が体感スケールとしてはなんかMETROみたいになってた。B1F白会場。複数のスピーカーのまわりをうろうろ歩くと場所によって聞こえる音が変わる、理系男子の喜ぶインスタレーションが楽しかった。物体じゃないものを使って空間に偏在をつくるっていう、デザインの人が色とか照明とかでやってることを音波の干渉でやってる。快い音じゃないから空間デザインに使えるかっていったらどうかと思うけど。高校物理の教材として最適とかいうと小せえので科学博物館で保管するべきと言い直してみる。世の中すべて波だらけ〜。 旧千代田生命つまり目黒区役所。村野藤吾。オフィスビルのくせに陰影があって彫りが深い。数奇屋の和室がいくつかあって、「しじゅうからの間」は開放されてていつでも誰でも入れる。竹モチーフのおされ障子とか、2種類のパターンが組み合わさった網代天井とかで数寄数寄。はき出しの外は軒とベランダを広めの緩衝域に取って、池。いいじゃんこれ。こんな区役所ないですよ。いろんな意味で。これらの和室は元は社員の福利厚生のため部活とかに使われていたらしい。部活って何部だ。和裁部とか?将棋部とか?競技かるた部とか?あと入れなかったけど茶室もあるのよね。駐車場の下に埋まってるビル内茶室で露地もちゃんとあって、コンクリートジャンゴォの中のすずめのお宿風味。 旧朝香宮邸つまり東京都庭園美術館。日本のアールデコの聖地。設計宮内省内匠寮。宮家なのにモダニズムって地味だよねーとか言いながら玄関に入ると、いきなり鮮やかな大理石モザイクの床とルネ・ラリックのガラスレリーフが出現。私が心得違いでしたすみません。部屋ごとにインテリアのテーマがちがってて、ラジエーターカバーのデザインまで全室ちがうあたりさすがのお公家さま。2階の私室は公的な性格の1階に比べておとなしめだけど、妃殿下の寝室の壁に3本一組のねじり紐をあしらったりして貴人風控えめゴージャス。全体的に石が多弁。色が豊富で濃くて、コンビネーション技も多用。階段室の腰壁なんか艶のある赤っぽい木と思ったら大理石ですよ。どっから買ってきたんだ。石も木も一枚板ばかりだし。1925年風味はじめいろんなモチーフが使われてるけど、階段室の鉄製枠飾りと照明の椿模様が特別かわいかった。その椿を見ながらソファに座ってたらいつの間にかガチ寝しており気がついたら20分ぐらい経過していた。なんで美術館てあんなに眠くなるの? |
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関西取材を終えた後京都に滞在して、6/20(土)はタカ・イシイギャラリーのクサナギシンペイ「アイデス」展のオープニングに行きました。クサナギさんは、かつてスフェラで展覧会をされた方ですが、かなり絵の雰囲気が変わっておりました。とてもすてきな奥行きのある、アクリルの絵です。もの凄い久しぶりに元スフェラ・エキシビションの泉川真紀さんwith息子さん、グラフの工藤千愛子さんや画家の喜多順子さん、タカ・イシイの空間を手がけた原田祐馬さんに会いました。取材ず〜っとお世話になっている写真家の森本美絵さんには、こちらでもお世話になりました。なお山崎泰寛氏も息子の槙くんと来てましたがこれはあまり久しぶりではなく、槙くんにも顔を覚えてもらってるみたいでちょっとウレシイです。ともあれ東京に引っ越して以来建築どっぷり、アートと縁遠くなっていたので、久しぶりの空気です。吉田屋料理店の二次会にもウッカリついて行ってしまい、恐縮です。ぽむアジトに1泊し、近所の某写真家のご実家まわりをウロウロしたり(w、少し仕事したりした後、工藤さんに教えていただいた銀閣寺のユキ・パリス コレクションをのぞいて無性にクロスステッチがしたくなり、muzzプログラムスペースのオレリー・ペトレル展のオープニングをのぞき、アーティストの高橋耕平さんとライターの米原有二さん、Super Window Projectの原口マナさんとお会いしました。そして最後は某住宅の鉄骨の美しい骨組みを鑑賞し、東京に戻りました。 敢えて人の名前をいっぱい挙げてみましたが、ようは知り合いの名前を1人挙げれば初対面の人ともスムーズに話が流れてしまう京都のスモールワールド現象にどっぷりだったのでした。この街ではどこかお店やギャラリーに行くという行為自体がどこかネットワーク風味になってしまうのです。森見登美彦の小説が描写してるみたいに、ケンタッキーフライドチキンみたいなチェーン店すら意味を持つ場所になってしまうもんで。ただ地縁と職縁、趣味の縁が複雑に絡み合ってるおかげかネットワークの展開力が高くて、一方でグーグルさんとかに俯瞰的に把握されてしまう視点も(現状は)ないので、結構おもしろいし気持ちがいいです。ただ人と場所を捉えてすべてわかったような気になってしまう関西のノリは、危ういような気もするけども。 メモ:おいしいおやつ。高野屋貞広の柑橘餅、大洲の気晴の志ぐれ餅 そんな感じで京都でうっかり半日バカンスしてるうちに、JCDデザインアワード2009の大賞を中村竜治さんが受賞したとのお知らせが。金賞もダブル受賞とか。うーん、京都滞在を削って公開審査を見に行けばよかったかな、と思ったり。「建築ノート」7月売りの次号で中村さんの記事を右の人が執筆(編集平塚)。とても面白いですので、乞うご期待。 そうそう、6/28(日)の青山ブックセンターは建築にどっぷり浸かることができますね。 長坂常トークショー「僕たちのみのまわりにあるものは、本当にかっこいいのか?」 ゲストコメンテーター:中山英之(建築家)・西沢徹夫(建築家)13:00〜15:00(開場12:30〜) 濱野智史×藤村龍至トークイベント「設計/デザインを考える」 19:00〜(開場18:30〜) 長坂さんのトークは『B面からA面にかわるとき』関連イベント。展示もやってます。ただし所用で行けなさそう。濱野×藤村対談には間に合えば行くつもり。 (*2020年、一部文章に修正を加えました。) |
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いまは取材等で関西にいます。絶賛工事中の水都大阪、安藤忠雄展絶賛開催中のサントリーミュージアム天保山、いつもキラキラ新世界、平成の大修理を控える姫路城ほか。 安藤さんの展覧会「対決。水の都 大阪VSベニス」は取材対象外なのでいろいろコメントしてみます。長さ20mの巨大模型が見どころ。一見大阪の水辺の街並みをそのまま模したものに見えますが、よく見ると現実と違う要素が多々含まれてます。安藤さんのこれまでに構想した未完のプロジェクト群、朝日のツインタワーなど再開発予定の巨大ビル群、大量の桜、ツタで覆われた川沿いのビル……。つまり安藤さんやその他開発者みんなの構想を盛り込んだフィクションなのです。それがあたかも現実のように横たわっているのです。プロジェクトと現実の区別がないと、なぜか既成事実的というか実現性が高く見えるので不思議です。すごい! パリのシテ島を目指してつくられた中之島は、時を経てヴェネチアと対決……。島を中心に外へ拡張するシテ島型と河川軸上に街が展開するヴェネチア型。江戸以前の元の都市構造はおそらくヴェネチア型なので、先祖がえりなのか? ところで出張に出る直前、完全に時機を逸した感じですが、東京都現代美術館で開催されている池田亮司+/ー展を見ました。(体験した限りの)池田モノでは格段に気持ちよかったです。展示空間での人の泳がせ方がすばらしいなあ。 構成の一番のよさは床にタイルカーペットを敷いたことにある気がしました。座れと書いてもおらず美術館なんて場所では地べたに座る慣習もないのにみんな座り込み、壁に寄っかかってしまいます。その様子は流れ星とかプラネタリウム鑑賞のよう。そんな強い磁場を持った環境が、基本的に音と映像でつくられたものである、ということが月並みですが新鮮でした。 4月末にあったMETROでのATAK NIGHT4 Japan Tourのライブもたまたま京都にいたので鑑賞しました。こちらは装置はシンプルですが生音と映像がきれいに同期して床にも振動が伝わってきて、やはり空間いっぱい大変たのしゅうございました。 (*2020年、一部文章に修正を加えました。) |
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週末はちょっと松山に取材で行ってきました。いろいろ拝見しましたが、とりわけ松山城がすてきでした。 それはさておき、先月末から今月初頭にかけて、プロ(=つくり手)向けのセミナーに潜るという手段を使い、BIMについてコソ勉してました。BIMはビルディング・インフォメーション・モデルの略。従来のCADでは2次元の線分だった図面データが3次元化し、さらに「私は石」とか「僕は20Wの照明だよ」とか属性情報を持つようになりまして、企画ー設計ー施工ー各種シミュレーションをデータ同士で連動できるよ、というもの(たぶん)。で、いろんな人や物が複雑に絡み合うヤヤコシイ建築づくりの強力サポートシステムとなる予定。 5/27 BIMミーティング第6回@大塚商会 前半はAutodesk社がリリースするBIM対応ソフトRevitの最新開発状況と、具体的な使い方の解説です。プレゼンはBIM伝道師「RUG(Revit User Group Japan)」メンバー。面積や必要な部材量が出る、だから最初から積算を考慮しての設計ができるようです。三次元設計がデフォなので、斜線制限など企画段階でのボリュームスタディに便利なようです。さらに照明や建具メーカーからの情報提供を受ければ仕様書も簡単につくれるようになる、とのこと。 もちろんRevit内での状況。他のソフトウェアがどうなのかは判りません。ともあれソフトのシェアを高めることが生命線ですので、普及活動が非常に活発という印象です。 後半は環境シミュレーションの阪田升さんとC+Aの小嶋一浩さんのプレゼン。阪田さんの発表は、風環境・温熱環境のシミュレーションは電子データがあれば1日でできる、という話。小嶋さんの発表は「小さな矢印の流れ」というタイトル。先行して、20社40名の連携でC+Aの意匠設計により普通なら数ヶ月かかる多様な解析を含む設計を48時間で完成させる架空コンペという何とも恐ろしいイベントが行われ、その体験を受けて、ご自身が手がけたここ10年位のお仕事を、光や風、音など「流れ」のデザインから解説するというもの。 ソフトウェアとその使い方さえわかればサクサクとシミュレーションができる時代。C+Aでも簡単な温熱シミュレーション位はやってしまうそう。もうアトリエ系の事務所はもちろん学生レベルでも、温熱環境シミュレーションを設計に盛り込むのは当たり前になるかもしれません。 5/29 建築設計における「3D CAD」の導入とその利点 3D CAD 事始め其の壱 平田晃久 〜生命のような建築へ〜@OZONE アメリカ東海岸などで普及している3次元ソフト、ライノ(=Rhinoseros)の使い手・豊田啓介さんが進行するシリーズ第一弾。個人的に、豊田さんからは昨年より建築におけるコンピューテーションの可能性について様々な示唆を受けております。(私が受けてどうするんだ、という事実はさておき) 前半は平田さんのプレゼン、後半は質疑応答。先日のミラノ・サローネの展示では太陽工業のソフトウェアを使ってポリゴンをつくり、水着をつくる技術者が立体裁断して薄膜のメビウスの環のような三次元構造をつくったそう。「3D CAD」の導入とその利点という部分については、平田さん自身は割と消極的、というかある種のもどかしさを感じている様子。少し前に『AXIS』のためにインタビューを行った際に「生命体のような建築のコンセプトと、温熱環境の連動が課題」と語っていた、その具体的なイメージがつかめたような気がしました。豊田さんのシリーズ、続編とても楽しみです。 6/5 Autodesk Solution Day@赤坂グランドプリンスホテル 建築に限らず、土木や機械など複数の分野ごとにシンポジウムが同時開催されるイベント。企業の出展も多く、ホテルが供するコーヒーも頂け、大きな展示会のようでもあります。建築セッションのみ視聴。 まずは「BIM建設革命」の著者、日建設計の山梨知彦さんによる「建築家がBIMで目指す環境設計」。小径木とNCカッターの合わせ技で、チープな国産材から効率的に、伝統的な大工仕事なしで仕口と継手の伝統的な構造をつくった「木材会館」、そして埼玉県美の展示「都市を創る建築の挑戦」でもモックアップが飾られていた、屋上の雨を土のルーバー沿いに流して建物を冷やす「土のすだれ」システムの解説もありました。セキュリティシステムのように、ランニングで環境を売るサービスプロバイダのような新しい建築ビジネスもありうるだろう、というコメントが面白かったです。 そして次は「清水建設の生産システム改革」大橋秀樹さん。こちらはメディア関係者シャットアウトのプレゼンでした。 最後は「プレファブメーカーが実現する統合化BIMへの挑戦」積水ハウスの藤岡一郎さん。積水ハウスは属性情報を持つデータで設計からプレゼン、仕様書、施工等を一本化し、照度の計算から樹木の成長までシミュレーションできる仕組みを90年代からお持ちだそう。サステイナブルへの取り組みについてのコメントが印象的。特に部材や設備の賞味期限などを考慮に入れ、家のカルテとして図面データを捉える視点はなるほど、と思いました。 --- BIMのような方法が普及して、建築づくりのプロセスが系で連動するということは、たとえば建築づくりの出発点は巨匠のスケッチ……ではもちろんなく、どこから誰がつくり始めてもよく、どこで誰が修正してもよい(履歴というか、証拠は残る)ということになりえます。そんなつくられ方には、未来とか革命とかを図らずも感じてしまいます。「設計者は誰か」問題、竣工写真のとらえ方はもちろん、建築のオーセンティシティに関する議論にも影響を及ぼします。 最近は小住宅でも建築家と構造家が組んで仕事をするような傾向がありますが、これからは構造に限らず設備設計や各種解析など、多彩なエンジニアリングが相当小規模なものにも絡んでくるように思います。一方で積算や環境シミュレーションなどは、設計者がソフトを覚えれば簡単にできてしまう未来が見え、その職能自体が存亡の危機にあるのかもしれません。 ルネサンス以来の建築家=万能人論も怪しくなります。いわゆる建築家は、ある意味では(初期から経験測ではなく正確に数字をはじきながらデザインを進められるという意味で)もの凄い万能人になるでしょうし、ある意味では(ニッチな諸々エンジニアやソフトウェアに依存するので)まったく万能人ではなくなります。むしろ無責任で勝手な方がいい。いかに面白いイメージを持ち、シミュレーションに投げかけられるか。インプットのセンスが求められる感じがします。 長々と書きましたが、ようはBIMとかコンピューテーションとかにwktkしてる、ということですよ。 (*2020年、一部文章に修正を加えました。) |
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「世界のどうぶつ」 ぽむ日記はブログではないため写真をアップするのはけっこう手間がかかるうえ芸がないので避けていたのですが、なんか好評なので続けます。 ![]() トルファン(ウイグル)。高昌故城。シルクロードに栄えた高昌国の遺跡でありわりと貴重なものだと思うのだが、城壁の外側は牛小屋になっている ![]() カシュガル(ウイグル)。はたらくどうぶつ(軽トラ) ![]() ウブド(バリ島)。はたらくどうぶつ(水田の維持管理) ![]() ウブド。熱帯雨林と家畜 ![]() グラナダ(スペイン)。アンダルシアの犬 ![]() カッパドキア(トルコ)。奇岩と犬 ![]() カッパドキア。奇岩と羊 ![]() カッパドキア。奇岩と猫。背景は洞窟ホテル(マジです) ![]() メキシコシティ。このあとコップ倒された ![]() ウシュマル(メキシコ)。マヤ遺跡。わかりにくいけど左下に何かが ![]() ロサンゼルス(西海岸)。サンタモニカビーチ。甲羅干しを楽しむヒトたち ![]() ラホヤ(西海岸)。サンディエゴ近郊。甲羅干しを楽しむアザラシたち。あのソーク生物学研究所のある街。こんなけしからん街だったとは ![]() カスバ街道(モロッコ)。家畜横断中 ![]() サハラ砂漠(モロッコ)。遠くにラクダの群れ。本物のキャラバンだよ |
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「世界の市場から」今日は、小アジアと中米とマグレブようするにいろいろ。![]() イスタンブール。川沿いの魚市場。魚の種類はあまり多くない。そしてどの店もだいたい同じだ ![]() メリダ(メキシコ)。ペースト状or粉状の調味料売ってる。メキシコ料理はけっこう複雑に香辛料を組み合わせていて深い ![]() メリダ。熱帯雨林気候のユカタン半島。ココナツの皮むき ![]() サンクリストバル・デ・ラスカサス(メキシコ)。土着文化の強い山の中の小さな観光都市だよ ![]() 同じくサンクリ。激菓子屋。ぶれてるけど。ここいらの人は写真に撮られるのを嫌うので店員さんはカウンターの下に隠れています ![]() マラケシュ(モロッコ)。街の真ん中のジャマエルフナ広場。ものすごい数の屋台と大道芸人が出て毎晩おおさわぎだよ ![]() マラケシュのスーク。工房と販売を兼ねる。ここは繊維のスーク。オサンたちは糸紡いだりしてる ![]() マラケシュ。激菓子屋。驚いたことにどれも美味しい モロッコのスークはイスラム都市の構造も興味深く品物もめちゃかわいく、大変おもしろいですが、おそらく世界一押しが強くて粘り強くてフィジカルも強いモロッコ商人の客引きをかわしながらの商品選びと価格交渉に必死なので、あまり写真が残っていないのが残念です。 |
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大阪の橋について連載しているフリーペーパー「月刊島民」で”橋特集”が出ましたよ。![]() マニアなネタでさらに輝く、いじり上手なナニワのハイレベル編集術にひれふせよ! ![]() 私はライターで参加。大阪の中之島界隈の橋は、建築家・武田五一と弟子たちが絡んでおり、デザインオリエンティッドな橋が結構あります。これまで連載でバラバラ書いてきましたが、今回はわりとまとめて読める体裁になってます。 ![]() 折角だから専門家に橋の話を聞くべしと、早稲田の佐々木葉先生に会いに行ったりも。曰く「中之島は戦前のアーバンデザインのホームラン王!」。橋の見かたや大阪市橋梁課最強伝説など、いろいろ教えてもらいました。 中之島の橋で、一番のお気に入りは錦橋です。元は可動堰で、今は歩道橋。スタイルの良さとモダニズム臭に反応して色々調べたところ京都工芸繊維大学の笠原一人さんの論文にたどり着き、「インターナショナル建築会」絡みで大阪市の技師であった伊藤正文という建築家の仕業であることが判明。1931年築とサヴォア邸と同い年。先日の上野伊三郎・リチ展を見ても、照明と壁の模様をあわせたインテリアをつくっていたり、ただスタイル移入してるだけじゃなく色々と早すぎて驚きましたが、インターナショナル建築会って一体……。 ![]() 錦橋。橋の突き当たりにはフェスティバルホールです。 ![]() ホールの建物は先日拝見したところ、建て替えにあたりカバーが掛かってました。これはこれでカッコよかったりして。 ![]() 近くにある「朝日ビル」(竹中工務店/これも1931年築)も建て替えになります。私が一番好きな建築。たぶんこの世で。艶かしい金属素材、直線とコーナーワークが……麗しい! ![]() 「月刊島民」は、京阪電車の地下駅などで無料で配ってます。編集プロダクション140Bの事務所でも一部100円で買えるそうです。私もたくさんいただいたので、今度どこか都内で置かせてもらえるところ探します。 |
以前撮ったキャンデラの写真を探していたらつい思い出のアルバムを見始めてしまって収拾がつかなくなる。せっかくなので紹介します。 「世界の市場から」今日は、カシュガル編(ウイグル)。 ![]() 職人街。工房と販売を兼ねる。ブリキ屋。 ![]() 流し台。欲しい ![]() 長持屋。結構本気で買おうと思った ![]() 銅製品屋。やかんとお玉買って兄ちゃんと仲良くなってシシカバブおごってもらった ![]() シシカバブの材料 ![]() 乾物屋。産地だから干しぶどうの種類がものすごい。安いからってくるみ2キロ買った(たわけ) ![]() ナンを売るお父さんたち ![]() さてここからは何でも売ってる日曜バザールです。近隣の町の人が全員来るよ。 ![]() ![]() どこまでも続く西瓜と南瓜 ![]() ![]() 羊市場と猫市場 ![]() 水売りさん ![]() 青空ビリヤード ![]() バザールの隅に設けてある駐車場(ロバ) |
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すこしお手伝いさせてもらった長坂常さんの本 「B面がA面にかわるとき」ができました。建築家の処女作品集でありながら、ここ1年の”B面”と呼ぶプロジェクトに絞り込んで紹介。潔い。 ![]() NOW IDeA by UTRECHTに、出版記念パーティ兼展示オープニングパーティにおじゃましました。うっかり初めて行きましたが、とてもいいところでした。江口さんによれば当初、店舗名を「Opening Party」にしようとも考えたそうで、書籍刊行の瞬間をみんなでシッカリ味わえます。写真や新作の家具照明などを紹介するエキシビションは6/14まで開催中です。 ![]() シュリンクを剥くと再生できないので、展示会場で撮影。FLAT TABLE(スキーマ建築計画+なかむらしゅうへい)の上、照明(スキーマ建築計画+岡安泉)の下で撮ってみました。 中身は写真集風に設えつつかなり読み物。長坂さんによる、ああでもなくこうでもない思いがつづられてます。装丁はスープデザインの尾原さんです。白地に白の箔押しの表紙もさることながら、写真の見せ方選び方もいちいちかっこいいのだ。 月末には青山ブックセンターで豪華トークイベントもあるという噂ですよ。 |
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いいダービーでした。ちょっと泣いた。とても幸せな気持ちになりました。馬券外したけど。 横山典弘騎手おめでとうございます。ノリさんがとうとうダービージョッキーだ。41歳で。騎手23年やって。本当によかったなあ。 ノリさんはふだんするような派手なガッツポーズも、馬への激励も一切しないで、静かに静かにゴールを駆け抜けていた。それが逆にこの勝利が特別なものであることを物語っていて、映画のワンシーンのように劇的で、テレビの前でぞくぞくした。ゴール直後に2着の豊さんが後ろから近づいてきて、おそらくおめでとうと声をかけて手を差し出して、馬上でハイタッチしてたのにもじんときた。それ自体はよくある光景だけど、いつもと順位が逆なんだ。GTレースで驚異の83連敗中だったんだいつも2着ばっかりで。毎年たいがい5傑には入るトップジョッキーなのに。今回も2着だろうとか思っててすみませんでした。 そして顔じゅう泥だらけのままウイニングランをして、泥だらけの白いヘルメットを脱いで、10万の観客に向かって馬上から深々と、天覧試合でしかしないような礼をしていた。最高に格好よかった。 検量室に戻ってきたら、その場にいた関係者全員がものすごい勢いで祝福していた。みんな待ってたんだなこの然るべき人がダービーを獲るのを。ダービージョッキーになるというのは建築学会賞のようなものだけど建築学会賞よりさらにハードルが高いと思う。毎年1人しかなれないのと、騎手生命の短さとで。 インタビューで開口一番、勝てると思っていなかった、信じてやれなくて馬に失礼なことをした、と馬鹿正直に謝ってたのも格好よかった。久しぶりのGT勝利ですねと言われて、いえ未勝利も500万も(=格下のレース)関係者には大事な一勝ですから、と答えてたのも格好よかった。ふだんどおりの愛想のない、淡々とした態度に包んではいるけれども、馬と人への敬意に満ちた、すごく格好いいコメントだった。 メジロライアンの時から19年間ノリさんのダービー制覇を待ちわびた人たちはどんなにかうれしかっただろう、一介のファンに過ぎないしかもその半分の歴史も知らない私ですら一夜明けた今も胸がいっぱいです。目黒記念の方がおもしろいとか言ってすみませんでした。 一方その馬主はというと、なんと馬主になって2年目なのだ。つまり初めて持った馬がダービー馬。足が曲がってて、2歳の夏まで買い手がつかなかった馬を、フォームが好きだという理由で買った、その馬がダービー馬。中卒で会社起こして、200人の従業員を抱えるまでに成長させた、そんな叩き上げの社長が勧められて馬主になって、最初の年でダービー馬オーナー。すごい星の持ち主だ。みんなこの名誉が欲しくて欲しくて時間とお金をいっぱい使って、それでも一生届かなくて、一国の宰相になるより難しいとか何とか言われてるのに。世の中にはわからぬことがわかることよりはるかに多い。 うま話は読者に不人気なので(たぶん)、この話題は枕にするつもりでしたが、書いてたら長くなりましたので、今日はこれで終わります。 |
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